呪いの話
三寒四温というものを20幾年生きてきて始めて体で実感しています。
呪いといっても怖い話ではありません。
子供の頃に「よそはよそ、うちはうち」という言葉を親から言われたこと、ありますか?
僕はなにか物をねだった記憶はないのですが、何度か言われた記憶はあります。
この言葉が今でも頭の隅にあって、自分と他者を比較してしまったときに出てきて、割と助かっています。
他に親から言われた言葉に「人はあんたの事なんかそんなに見てないよ」というのがあり、
これは靴下のゴムが緩んでいるだけで学校に行きたくなくなるほど気にしいだった僕に対して「あまり細かいことを気にしなくても良い」という意味だったのでしょうが、
子供だったので額面通り受け取って「僕の事を見てくれる人は居ないんだ……」としょげた記憶があります。
今はこの言葉を胸にジャージで深夜のスーパーに酒を買いに行くなどしているのでとてもありがたいことだと思っています。
昔に受けた言葉はそれこそ呪いのように今の自分にまとわりつき、苦しめています。
当時、親は遅くまで働いていたので、家では長兄、次兄、末の僕の3兄弟で過ごすことが多く、ストッパーのかからない長兄からは多くの言葉、呪いを受けているな〜と思うわけです。
(次兄って書いてるときって「北斗の次兄トキ」って頭に浮かばない?)
長兄とは歳が5つ離れていて、単純に力で敵うわけもなく暴力や暴言を日常的に受けていましたね。あの頃はそれが普通だったので疑問はありませんでしたが。
代表的な暴言として「バカ、グズ、ゴミ」はもちろん、様々な言葉を浴びせられ当時の僕の自尊心はめちゃくちゃになっていたと思います。
社会人になって実家を離れてもどこかで自分はそうなんだろうなという意識がありました。
今となっては、長兄は僕より地頭が悪く仕事も長く続かないグズのゴミなのでこの呪いに苦しめられる要素がないのですが。
こんな経験があるから他人への言葉を選べるようになったというか、怪我の功名にしては怪我が深すぎたというか。
そんな長兄ですが、実家に帰ると昔のことは忘れたと言わんばかりにヘラヘラと僕に話しかけてきます。
いい大人が昔の恨み!と殴るわけもいかないが許せるわけもないので長兄の単独事故と経済的な破滅を願いつつ、親が亡くなったらさっさと縁を切りたいなあ、と思うのでした。
でも、小4のときにパクられたお年玉の余りの1万2千円は今すぐきっちり返してもらいたいな。